アイロン不要＆超ストレッチ！
「スーツで日本を健康にする」はるやまの
『アイシャツ』開発秘話

『i-Shirt（アイシャツ）』の開発から現在に至るまで、商品開発担当の近藤美穂さんにお話を伺います。



・『i-Shirt（アイシャツ）』はどんな特徴のあるシャツなのでしょうか？

大きな特徴としては完全ノーアイロンということですね。綿のワイシャツはハリがある分シワにもなりやすいのですが、アイシャツは形態安定性が高く、洗って干すだけでシワなく綺麗に着られます。完全ノーアイロンははるやまだけの特徴だと思います。
さらに、360度ストレッチ機能で伸びがよく、ワイシャツ特有のつっぱり感がないのでストレスフリーな着用感です。
また、吸水速乾や抗菌防臭機能も備わっているので、手入れのしやすさから、ご自宅で洗濯をされている方にとても人気が出ました。着用時のストレスのなさももちろんですが、時間がない毎日の中で手軽に手入れができることも人気の要因だと思います。

・『i-Shirt（アイシャツ）』を開発されたきっかけは？

2008年に開催された北京オリンピックで、はるやまがアスリートの移動用の公式服装としてスーツとシャツを提供したことがきっかけです。
通常のワイシャツはパリッとした質感になるよう「織り」の技術で作るため生地が伸びにくいのですが、普段スーツを着る機会の少ないアスリートの方々でも着やすいようにと、「織り」ではなく「編み」の技術を使ってストレッチ性が高くジャージのように伸びるシャツを開発しました。

・スポーツウェアのような着心地のシャツができたんですね。開発で苦労されたのはどんなところでしょうか？

最初の頃はジャージのようにボテッとした重たいフォルムになっていたので、見た目の改良は特に大変でした。ワイシャツはやはり見た目の印象も大切です。ストレッチ性を持たせたままワイシャツらしいシャープなラインにするには糸から開発し直す必要がありましたね。
糸を細くすることでシワがつきやすくなってしまう点の改善や、綿のように見せるためにポリエステル繊維のツヤ感を抑えたり、色柄をつけるために染料の入りやすい糸に変えたりと、最初の2〜3年は何度も改良を重ね、5〜6年ほど前に現在の形に落ち着きました。

・努力の甲斐あって現在はデザインやカラーも豊富ですが、人気のものは？

やはり白が安定して一番人気ですね。今年のトレンドならラベンダー色。夏はネクタイなしでも決まるボタンダウンタイプも人気がある印象です。
今は抗菌・防臭の面でも注目されていますが、湿気を感じると編み目が開く糸を使っているんですよ。通気性が良く、夏場の着心地にも自信があります。接触冷感や温感の素材もあるので、季節に合わせてご利用いただけます。

40代以上の方には綿のワイシャツも根強い人気がありますが、現在は店頭のシャツの半数くらいがアイシャツになっています。レディース製品もアイシャツシリーズを出しているんですよ。今では『はるやま』よりも『アイシャツ』の名前を知っている人の方が多いくらいです。

・環境問題に着目した『ECO i-Shirt（エコアイシャツ）*』が2019年のグッドデザイン賞を受賞し、注目されました。

自分たちの取り組みの中で環境問題を意識した時、ワイシャツの包装にはどうしてもプラスチックが多くなってしまうことが気がかりでした。さらに今はインターネット通販も広く普及しているので、ポストに入るサイズの包装にできないかとも考えました。



『エコアイシャツ』では、付属のプラスチックをなくし、ポストに投函できるサイズに折り畳んで紙袋で包むことで、シャツ１枚あたり24〜25gのプラスチックを削減しています。



『アイシャツ』の機能はそのままに、シャツに使用する糸もリサイクルポリエステルを使用しています。私たちの想いに応えてくれる生地屋さんや縫製工場さんなど多くの協力があったからこそできた製品です。


*2019年4月よりオンラインモール限定で試験的に販売実施。今後も改良を加えながら店頭展開を検討中。

・「スーツで日本を健康にする」というテーマを掲げているはるやまですが、これから先はどのような取り組みを考えているのでしょうか？

毎シーズン新しい機能や新しい素材の商品を出しているのですが、その中でも“健康”というテーマについては今後も取り組んでいきたいですね。スーツやワイシャツは毎日のように着ていただくものなので、どうせ着るなら健康に繋がるものがいいんじゃないかと思っています。
 

健康にまつわる取り組みの第一弾となった『ストレス対策スーツ』は、健康総合企業のタニタさんと共同でスーツを開発したことも。アイシャツも同様に健康に結びつくためのベースが揃っているので、これを生かしながら“健康”について取り組む他企業さんとのコラボレーションを積極的に行っていきたいです。