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女性の健康課題を解決する「フェムテック」という選択肢で毎日のQOLを向上!

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女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」。近年この言葉を耳にすることが増えたという方も多いのではないでしょうか。一口に女性の健康課題と言っても、その分野は多岐にわたります。今回は、「あらゆるワタシに選択肢を」をコンセプトに、女性の悩みに寄り添うコンテンツやプロダクトを提供するプラットフォーム「ランドリーボックス」代表の西本美沙さんに、現在のフェムテック事情を伺います。

そもそも、「フェムテック」って一体何?

「フェムテック(Femtech)」とは、女性の健康課題をテクノロジーで解決する商品やサービスのこと。ドイツの月経管理アプリ「Clue(クルー)」の開発者によって、Female(女性)とThechnology(テクノロジー・科学技術)を掛け合わせて作られた造語です。

⼥性の健康課題と⾔ってもその分野はさまざまですが、⼤きく分けると
・⽉経(⽣理)、PMS(⽉経前症候群)
・妊娠、産後ケア、育児
・不妊、妊孕性(にんようせい)
・婦⼈科系疾患
・更年期
・セクシャルウェルネス
などが主な課題としてあげられます。

前述の「Clue」や「ルナルナ」などの月経管理アプリ、生理用ナプキンのムレやゴワつきなどを解消する生理用吸水ショーツ、生理中の膣内に挿入して経血を溜める月経カップ、デリケートゾーン専用のソープやジェルなどのフェムケアアイテムも増えてきているので、月経関連のアイテムやサービスが一番身近で手に取りやすく、認知度が高いかもしれません。いずれも生理中の不快感や不安感などを軽減し、それぞれが抱える悩みを解消に導くことで、QOL(生活の質)の向上に一役買っています。

日本では1999年から医薬品として認可されている低用量ピルは、月経困難症の対策や婦人科系疾患の予防、避妊などに使われていて、近年では国内でもオンライン処方のサービスがスタートしています。出産後や更年期の尿モレ予防や改善として、スマートフォンのアプリと連動して骨盤底筋を鍛える「エルビートレイナー」という膣トレ用のデバイスも発売されており、こちらは特にテクノロジーとの融合を感じられるのではないでしょうか。セクシャルウェルネスの分野では、性交痛軽減アイテムやセルフプレジャーアイテムなど、性にまつわる健康をサポートするアイテムが展開されています。

フェムテックについてどのくらい意識している?

近年「フェムテック」という言葉を認識し始めた方も多いと思いますが、まだ一般への認知度は低く、2021年春にSOMPOひまわり生命が行ったアンケートでは国内の認知度が1.9%となっています。一方で、「フェムテック」という言葉を認知していないまでも、フェムテックアイテムやサービスを利用している方は多く見受けられます。フェムテック市場は特にこの1、2年で急速に拡大している印象ですが、日本でも月経管理アプリの「ルナルナ」は今から約20年前の2000年にサービスを開始していました。

フェムテックが広まりを見せる中でも、女性の健康課題についての話題はまだまだタブー視されがちで、女性自身も人に相談しづらい悩みとして抱え込んでしまっているケースが多いと感じています。生理は痛くて当たり前、不快で当たり前、この程度の辛さなら病院に行くほどではない、このくらい我慢しなければ…といった思い込みで自分の心や体の状態に無自覚な人も多く、今はそんな固定概念を変えていくための過渡期だと感じます。女性が日々を快適に過ごすためにも、フェムテックアイテムやサービスで、それらの不快感を軽減する選択肢を知って欲しいと思います。

フェムテックアイテムやサービスはどう選ぶ?

フェムテックの商品やサービスがたくさん増えていく中で、自分にはどんなアイテムが必要なのかと迷うこともあるかと思います。そんな時は、まずご自身がどんな生活をしていて、何に不快感や悩みを感じているかを知ることが必要です。

例えば吸水ショーツを選ぶとしても、
・肌が弱くかぶれやすい→肌にやさしいオーガニック素材のもの
・経血量が多くて悩んでいる→吸水率の高いもの
・デニムなど、体のラインが出やすいファッションを楽しみたい→シームレスタイプのもの
など、ご自身のライフスタイルやお悩みに合ったアイテムを選ぶと良いと思います。
もちろん吸水ショーツだけで全てを解決しようとしなくても良いのです。ナプキンやタンポン、月経カップなどのアイテムとの併用も可能ですし、その時々の自分にとってちょうどいい組み合わせを探してみてください。

また、フェムテックは女性起業家が自身の健康課題をきっかけに取り組みをスタートさせていることも多く、それぞれのブランドサイトには開発に至った経緯や、開発者の想いが綴られています。そういったところから自分の気持ちに寄り添ってくれるかどうかを知るのも、選ぶ際のポイントになるのではないでしょうか。

自分の心や体の状態について、無自覚な女性がまだ多くいらっしゃると思います。悩みは一人一人異なり、解決方法もそれぞれです。自分自身を知り、多様な選択肢を知ることで、憂鬱な時間から解放されるきっかけになればと思います。


西本美沙

ランドリーボックス株式会社・代表取締役
大学卒業後、PR会社を経て、2011年ドワンゴに入社。 広報・宣伝業務を担当。2016年独立。会社員の傍らはじめたブログをきっかけに、女性の体や性を取り巻く環境に対する関心が高まり、Webメディア「ランドリーガール」開設。
2019年2月、ランドリーボックス株式会社設立。2019年8月より、生理など女性が抱える悩みに特化した記事や商品を提供するプラットフォーム「ランドリーボックス」を開始。「あらゆるワタシに選択肢を」をコンセプトに、月経カップや吸水ショーツなど、フェムテックアイテムを取り扱う。

Text&Edit:Maiko Mizusawa  Photo:Adobestock
最終更新日:2021年8月12日

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