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「勇気を持って街に出よう」名越康文先生に聞くwithコロナ時代の生き方vol.3

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# インタビュー , # ウイルス , # 健康 , # 名越康文 , # 生活習慣 ,

コロナ禍において『三密』を避けるために人との接触時間が少なくなり『新しい生活様式』が広まっています。これまでも「ひとり時間」の必要性を提唱してきた精神科医の名越康文先生に、今の時代の過ごし方についてお聞きした連載第3回です。

・新型コロナcovid19は潜伏期間が長いとされているので、無症状でも感染しているかもしれないと思う人も多いかと思います。

もしも自分が感染したかもしれない、濃厚接触者になったかもしれないという場合は医療機関や保健所などに問い合わせ、最新の情報を得ることでしょうね。今は研究が進んでいる最中で検査も治療薬もまだ流動的で、確定的なことは少ないです。でも一つだけ確かなことがあります。日々健康的な生活を維持して、自分の身体が備えている抵抗力を増進するということです。

・これまでのお話でも、睡眠・栄養・運動の大切さを改めて教えていただきました。

健康の維持のためには外に出てよく歩くことも必要だと思います。もちろん人通りの多いところは避け、体調不良の時は無理をしない。蒸し暑い日は涼しい日陰を歩く、早朝や夜に歩く、という工夫は必要です。

これまでも話してきましたが、『ステイホーム』の次は、身体を動かしましょうというのが僕の提案です。言われたまま「家にいなきゃ」ってなぜ思うのか、少し考えてみてほしいんです。ウイルスへの恐怖で心がかじかんでしまって、思考が停止しているようにも感じます。みんなもっと良い意味で反抗的になって欲しいんです。無用な反抗ではなく、「これは本当?」って自分の判断力を起動させることです。これは密を避けるということに関してもそうです。これはやり過ぎだ、と思えばその集まりは避ける。「どっちがいいんですか?」じゃなくて、自分で判断していく。

・自分の意思で過ごし方を決めていきたいですね。

そう、知識ってそのためにあるの。今はもう居酒屋さんも開いたし、少人数ならご飯を食べてもいいじゃないですか。大皿料理を取り合ったりせずに、話すときは飛沫を避けるように距離を十分とったり、アクリル板を挟んだりして。1時間くらい喋って、足りなければまた別の日に会えばいい。そうしないと飲食店も潰れてしまいます。寂しいと思ったら適切に時間を区切って人に会えばいい。何も寂しいことはないですよ。それよりこれから会社がバタバタ潰れるだろうということの方が心配です。


・確かに多くの会社の存続が危うくなっている気がします。

僕は5月に入ってから「早目に経済活動を再開させるべきだ」と言ってきた極めて少数派の医者かもしれません。個人の生活はどうにでもなるけれど、その生活の基盤を根底から揺るがすのは、会社が潰れること、収入がなくなるということです。




・会社はどのタイミングで潰れてしまうのでしょうか。

第二波でしょうね。と言っても私のいう第二波とは、冬が来て人々の抵抗力が落ちた頃、あるいはインバウンドが再開される時期という意味です、だから今のうちに『コロナ怖い怖い病』を治しておかないと。第二波までにちゃんとしたウイルスとの付き合い方を個人も国も打ち立てておかないと何もできなくなる。そしたら経済はおしまいです。コロナを闇雲に怖がっているだけでは、みんな失職してしまいます。経済は命ですからね。「食べる」っていうことは経済だから。でも「食べていけない」って思い込むだけで、人は絶望してもろくも死にますよ。そっちの方がずっと深刻なんです。


・世が自粛と言われる中ではお店を開けているだけで攻撃されたりすることもあると思うのですが、それにはどう対応していけばいいですか?

絶対に負けないことじゃないですか。ちゃんと理論武装すること。「必要な人がいるから開けています」って信念を持つことです。企業側も正しい知識と営業理念を持ってそれを実践できるようにならないと物は売れないですよね。今は攻めないと。日本は沈没しそうなんですよ。今は正しい知識と勇気を持って街に出よう、という時です。

名越康文(なこし・やすふみ)
1960年、奈良県生まれ。精神科医。相愛大学、高野山大学客員教授。近畿大学医学部卒業後、現・大阪精神医療センターにて精神科救急病棟の設立、責任者を経て、99年に退職。現在はテレビやラジオでコメンテーターなど、さまざまな分野で活躍中。著書に「SOLO TIME~ひとりぼっちこそが最強の生存戦略である~」(夜間飛行)など。動画サイト「名越康文TV シークレットトーク」も好評。


Photo:NATSUKI 
Text&Edit:Maiko Mizusawa

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