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【医師が教える花粉症対策】花粉症にならないための生活習慣で健康レベルを上げよう!

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目の痒みや止まらない鼻水など、つらい花粉症状。スギ花粉が飛散する春先を中心に、一年中悩まされているという方も増えています。花粉症にならないために、また花粉症状を改善するためには免疫力の向上が重要課題。今回は、ご自身も花粉症を克服した経験があるという医師の石原新菜先生に花粉症対策のための生活習慣についてお聞きします。

体が本当に健康になれば、花粉症は治る!

前回の記事では花粉症の原因が免疫システムの誤作動や過剰反応であることをお伝えしました。
免疫力は寝不足や疲れ、ストレスなどでも低下してしまいます。そのため、一般的に広く言われている睡眠・適度な運動・食事というのがとても重要です。自分では元気だと思っていても、肩こりや頭痛など、少しでも気になる症状があるということは、本当に健康ではないのです。健康のレベルを上げることと、それを保つこと。当たり前なのですが、それが免疫力の維持と向上、ひいては花粉症対策にも大切なことなのです。

私自身大学生の頃はひどい花粉症でした。体温が今より1度も低く、体重も10kg重かったのです。いつも肩こりや頭痛、めまい、生理不順、便秘、多汗症、花粉症……数えきれないほどの不調がありました。でもそれくらいはごく普通のことだろうと思っていたのです。
研修医になって眠れないほど忙しくなるとさらに不調は進み、生理が止まったことをきっかけに、なんとかしなければと思い立って食生活の見直しや運動を行いました。

健康的な生活に変えたところ、体重が10kg減少。人間は体重の約6割が水分です。ということは、私が減量した10kgのうち6kgは水分で、不要な水をたくさん抱えた『水毒(すいどく)』の状態だったのです。でも運動をするようになりたくさん汗をかき、10kg痩せた今では肩こりや頭痛などのあらゆる不調がなくなり、花粉にも反応しません。花粉症は治るんですよ。自分の健康レベルを上げることで花粉症は治せると実感しています。

花粉症改善のために見直したい生活習慣のポイント

今回は健康レベルを上げるための生活習慣についてお伝えしていきます。

【睡眠】
まず睡眠ですが、睡眠時間5時間未満の人と7時間以上の人では風邪にかかる確率が4.5倍ほど違うという研究結果が出ています。ということは、睡眠が5時間未満の人は免疫力が低下していると考えられます。6時間と7時間を比べるとあまり差はないので、ひとまず毎日6時間以上は眠るのがおすすめです。私も必ず6時間は寝るようにしています。

【運動】
運動については、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を1回20〜30分、できれば週5回やってほしいです。もっと多くても問題ありません。あとはスクワットなどの筋トレを1日置きに30回程度。週5回の運動が難しくても、なるべく週の半分くらいはできるといいですね。


【入浴】
お風呂は湯船に必ず浸かることを習慣にしてほしいです。体を温めることは免疫力アップにもつながります。せっかく湯船に入ってもお湯が熱いと長く浸かっていられず、温まる前に出てしまうので、自分の体温+4度のお湯を目安にしてください。体温36度の人なら40度のお湯に10〜15分程度浸かるようにしましょう。半身浴ではぬるま湯が推奨されることもありますが、冷え性の人がぬるま湯に入っても全く温まらないばかりか冷えてしまう可能性もあるので要注意です。適度に汗をかけるくらいの温度に設定し、無理のない時間に留めてください。

【食事】
食事は栄養バランスの良い和食がおすすめです。免疫力を上げるには腸内環境も大切なので、味噌や納豆、ヨーグルトなどの発酵食品を積極的に摂りましょう。また、発酵食品に含まれる菌たちがお腹の中で増えていくには、食物繊維が必要不可欠。食物繊維が菌の餌になるので、発酵食品とセットで摂るようにしてください。

花粉症におすすめの食べ物は「生姜」&「発酵食品」

花粉症改善の食事には、アレルギーを抑える作用がある生姜を取り入れるのがおすすめです。紅茶などの飲み物に入れたり、蕎麦やうどん、味噌汁に入れたり、日常的に生姜の量を増やしておくといいですね。

お酢の元になっている酢酸菌もおすすめです。近年の研究では酢酸菌が花粉症に効くということもわかってきています。酢酸菌は免疫が正常に働くために必要なスイッチを押すことができるのです。普通のお酢は濾過されてしまっているので、酢酸菌を摂取するためには、にごり酢や黒酢、サトウキビ酢やバルサミコ酢など、色が黒っぽいお酢を選びましょう。

乳酸菌や酢酸菌をそれぞれ摂るよりも、一緒に摂ることで効果が2倍以上になることも分かっているので、ヨーグルトに黒酢を合わせたスムージーなどもおすすめです。
お酢は花粉症に良いだけでなく、血液をサラサラにしてくれて、コレステロールや中性脂肪、内臓脂肪、血糖値を下げるなど、さまざまなメリットもあります。

将来の健康のために、今の健康レベルを上げよう

猛威をふるう新型コロナウイルスに感染しないためにも、頼りになるのは自分自身の免疫力。多くの方が特にこの一年で実感しているのではないでしょうか。コロナがきっかけでも、花粉症がきっかけだとしても、健康生活を始めることで将来の他の病気の予防にも繋がります。
運動もお風呂も日々当たり前のことを続けていくだけで自然と健康になっていくので、この記事を読んでくれた方のルーティーンになってくれたら良いと思います。

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石原新菜(いしはらにいな)

医師。イシハラクリニック副院長。健康ソムリエ講師。
医学生の頃から自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實と共にメキシコのゲルソン病院、ミュンヘン市民病院の自然療法科、英国のブリストル・キャンサー・ヘルプセンターなどを視察し、自然医学の基礎を養う。
現在は父の経営するクリニックで漢方薬処方を中心とする診療を行うかたわら、テレビ・ラジオへの出演や、執筆、講演活動なども積極的に行い、「腹巻」や「生姜」などによる美容と健康増進の効果を広めることに尽力している。二児の母、また女性としての視点からアドバイスにも定評がある。
著書に13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム)他、『読む冷え取り』(主婦の友社)、『体を温める漢方で不調を治す』(PHP文庫)など、約40冊があり、中国、香港、韓国、台湾、ベトナムなどでも翻訳されている。

Text&Edit:Maiko Mizusawa Photo:Adobe stock

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