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【医師が教える温活術】冷えは万病のもと!体温アップが健康への近道

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昔から『冷えは万病のもと』と言われるように、体が冷えていることで心身にさまざまな不調を引き起こします。健康になるためには、外気の寒い冬だけでなく、一年を通して体を温めることが大切です。今回は、『冷えとり』で体調不良の改善を提唱する医師の石原新菜先生に、冷えが起こす病気や不調、また、気軽にできる冷え対策を教えてもらいます。

『冷えは万病のもと』体が冷えると何が起きる?

『冷え』というのは、体の血流が悪くなっている状態。現代人は運動量が少なくなっているため、筋肉量が減り、血の巡りが悪くなって体温が下がっている場合が多いです。
全ての臓器は血液が運んでくれる酸素・栄養・水で働いているので、血流が滞るとさまざまな臓器に不調が起こります。よくある症状としは、肩こり・腰痛・頭痛・生理痛・生理不順・便秘・むくみなど……どれも多くの方が体感したことがある不調ではないでしょうか。免疫力が低下し、風邪をひきやすくなってしまうことも冷えの弊害です。

明らかな病気でなくても、上記にあげたような不調を感じる人は体が冷えている状態だと言えます。生活習慣病などは暴飲暴食をしている人がなってしまうイメージがありますが、実は患者さんに多いのは体が冷えて代謝が下がっている場合。過剰に食べているわけでなくても、食べた物が体の中でうまく燃焼しないため、糖分や脂肪分が血中に残ってしまいます。それがあることで、高血糖・高脂血症の原因になってしまうのです。

また、意外に多いのが冷えから高血圧になっているケースです。冷えていると血管がギュッと縮まってしまうのですが、それはつまり血管に圧力がかかった状態ですよね。そういう人は食事の塩分量を調整するのではなく、お風呂に入ってゆっくりと体を温めることや、運動をすることで血流を促すと血圧が下がります。

体だけでなく、鬱などのメンタル的な不調も冷えと深く関わっています。漢方の考え方では、体の中に気・血・水という3つの要素があり、気が巡っていると血も水もうまく巡ります。つまり、体が冷えていて血が滞ることで、気も滞ってしまいます。この気が滞った状態を『気滞』と言い、これがいわゆる鬱の状態。西洋医学的に言えば『自律神経の乱れ』に近い考えです。

体内の臓器がしっかりと働くことが全て健康につながるので、臓器を動かすためにはまず血流を良くすることが必要なのです。

自分は冷え体質?セルフチェックのポイント


冬などは外気の寒さによって冷えているのか、自分の体が冷えているのか区別がつきにくいこともあると思います。そのため、まずは自分の平熱を把握することが必要です。体温計を使い、脇の下で測ってみてください。誰でも朝は熱が低く、午後に高くなり、夜にはまた下がるので1日の平均は午前10時頃に測ると良いです。目安として、36.5度あればOK。朝10時の時点で体温が35度台の場合は、確実に冷えの状態です。手足が冷えている場合は冷えの実感もあり、対策がしやすいのですが、手足が温かいのに体温が低い人は気付きにくいので要注意です。

血流アップのコツは、体を温める食材を意識すること

毎日の食事やおやつでも冷え対策ができます。血流アップが期待できるおすすめの食材をお伝えします。


①スーパー食材・生姜

生姜は漢方薬の7割に入っているスーパー食材です。血行を促進する作用があり、体を温める。新陳代謝を上げる、白血球の働きを活発にするなどの作用も。1日に親指2個分をとると血栓予防になります。すりおろした生姜をたっぷりと入れた生姜紅茶がおすすめ。

②色の濃いおやつ
小腹が空いた時は甘いお菓子に手を伸ばしたくなるので、食べるなら体を温めるものに。黒砂糖や黒糖、プルーンなどの色の濃いものは血糖値がすぐに上がり、空腹感からくるドカ食いを抑えられます。ミネラルがとれるのも一石二鳥。食物繊維が手軽に取れるココアに黒砂糖や豆乳を入れて飲むと栄養とおいしさがアップします。

お腹が空いた時は体を温める食材を意識的に選んでみましょう。

頭寒足熱ファッションで手軽に冷え対策を!

夏場は冷房、冬場は暖房による室内外の寒暖差が激しく、体温調整が難しい場合もあります。男女問わずおすすめなのは頭寒足熱ファッション腹巻、レギンス、スパッツなどで下半身をしっかり温めておいて、上半身は着脱可能なものを選んでおくと体温調節がうまくできると思います。特に臓器が集まっていて血流の多いお腹には腹巻を年中しておくのがおすすめです!

靴下の重ね履きは足先を圧迫して血流を滞らせてしまうので、注意が必要です。動きやすい五本指靴下の上にふわっとしたレッグウォーマーなどを重ねるのが良いですね。
世の中にはさまざまな健康法があふれていますが、いいと言われたことをやみくもに実践するのではなく、やってみて自分の体が楽で心地のよい状態だと感じたものを続けることが大切です。

体を温めて健康レベルをアップ!

健康と病気の間には病気まで行かないけど不調がある『未病』という状態があるのですが、この段階で気付くことができれば、運動や食事など、日常的な生活習慣の見直しで治していけるのです。前回お伝えした花粉症対策の方法も、冷え対策や健康力アップに繋がります。

私自身が冷えを改善して体温を高め、健康になった体験で知ったのは、健康であればなんの不調もないということ。今は肩こりも便秘も頭痛も花粉症も全くありません。現代人は冷えが不調の原因になっていることが多いと感じます。普段当たり前だと思っているちょっとした不調は冷えのサインととらえて、気付くきっかけにしてくださいね。


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石原新菜(いしはらにいな)

医師。イシハラクリニック副院長。健康ソムリエ講師。
医学生の頃から自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實と共にメキシコのゲルソン病院、ミュンヘン市民病院の自然療法科、英国のブリストル・キャンサー・ヘルプセンターなどを視察し、自然医学の基礎を養う。
現在は父の経営するクリニックで漢方薬処方を中心とする診療を行うかたわら、テレビ・ラジオへの出演や、執筆、講演活動なども積極的に行い、「腹巻」や「生姜」などによる美容と健康増進の効果を広めることに尽力している。二児の母、また女性としての視点からアドバイスにも定評がある。
著書に13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸しショウガ健康法』(アスコム)他、『読む冷え取り』(主婦の友社)、『体を温める漢方で不調を治す』(PHP文庫)など、約40冊があり、中国、香港、韓国、台湾、ベトナムなどでも翻訳されている。


Text&Edit:Maiko Mizusawa Photo:Adobe stock

最終更新日:2021年7月7日

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