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雨の日の湿気対策は?クリーニングにはいつ出す?意外と知らないスーツケアのコツ

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ビジネスパーソンの必須アイテム、スーツ。衣替えの時期や雨に濡れた後など、そのままクローゼットにしまっていませんか?お手入れ不足はスーツの寿命を縮める原因にもなってしまいます。そこで、今回は一級衣料管理士でもある『はるやま』スタッフ近藤さんからお手入れのポイントを教えてもらいます。

スーツは家で洗濯しても良い?

スーツに使用されている素材はウールが多く、ウールの繊維は一般的に水縮みしやすいため、洗濯には適していません。また、洗濯を想定していないスーツは、形を整えるために生地の内側の芯地も洗えないタイプを使用している場合が多いです。縮み、シワ、型崩れといった原因になるため、クリーニングマークの付いているスーツは絶対に家庭で洗わないようにしましょう。

従来のウールのスーツは洗濯できないことが当たり前でしたが、最近は家庭でも洗濯可能なウォッシャブルスーツが販売されています。

・自宅で洗えるスーツはこちらをチェック!

家庭で洗濯する場合は、まず洗濯ラベルの表示をチェック。
・洗濯ネット使用の有無
・洗濯の強さの確認(弱や手洗い表示など)
・脱水、乾燥機の使用について
・アイロン、洗剤の種類
など、注意が必要なことの記載があるので、お手入れ前に必ず確認してください。

雨の日の湿気対策、どうする?

雨の多い梅雨の季節は外気だけでなく、クローゼットやタンスの中の湿気も多くなっています。
カビはアミノ酸、たんぱく質、脂肪、炭水化物などが好物。スーツについた食べこぼし、汗、皮脂にはこのような成分が多く含まれているため、湿度や温度と相まってカビが生えやすい原因に!

・POINT1:定期的なクリーニングが大切!
スーツやコートなどはこまめな洗濯がしにくいので、首元の皮脂や脇などの汗が残ったまま保管しているケースも多いです。季節の変わり目には必ずクリーニングに出して汚れを取っておくことが必要です。また、ご自宅でも汚れを落とすことができるウォッシャブルスーツなども活用しましょう。

・POINT2:こまめな換気&木製ハンガーで湿気対策を
クローゼットの中は、湿気取りの設置も有効ですが、閉めっぱなしにせずに定期的に扉を開けて換気をすることが大切です。収納に使用するハンガーは、プラスチックよりも衣類の水分を吸い取ってくれる木製がおすすめ。クリーニングでついてきたビニールやスーツカバーなどは必ず外して通気性を確保しましょう。クローゼットの中はギュウギュウ詰めにせず、間隔をあけて掛けておくことも換気のポイント。また、スーツの収納時にはポケットに無臭タイプの防虫剤を入れておくことも長持ちにつながります。

雨に濡れてしまった場合の対処法

梅雨時などには雨に濡れてしまうことも多くなりますよね。濡れたスーツはそのまま放置せず、すぐにお手入れすることが、ニオイやシワを防ぐ対策になります。

・STEP1:まず乾いたタオルなどで水分を拭き取る
タオルを擦り付けるのではなく、軽く叩いたり、タオルで抑えるように水分を取ることが、生地を傷めないポイント。

・STEP2:水分を取った後、厚みのある木製ハンガーに掛ける
ハンガーは肩部分の厚みがしっかりしたものを使用することで、型崩れ防止になる。木製なら湿気対策にも。

・STEP3:風通しのよい日陰で自然乾燥させる
スーツは内側に芯地などを表生地と貼り合わせている場合が多く、見えない部分に様々な素材が使用されています。直射日光などで急激に乾燥させると、芯地と表地が剥がれたり、表地が波打ったりといったトラブルが起きやすいため、必ず日陰で自然乾燥させることが大切。

【お手入れPOINT】パンツはウエスト部分を下に向け、裾を挟めるタイプのハンガーで吊るす
ウエスト部分を上に向けたり、折りたたんでハンガーにかけることが多いと思いますが、実は裾を上にして重みで伸ばすことがシワ回復のコツ。

濡れ方がひどい場合は、クリーニング業者へお願いすることもおすすめです。また、梅雨時期は洗えるタイプのスーツや撥水加工のアイテムも活用しましょう。

・撥水加工スーツはこちらをチェック!

クリーニングに出す時の注意点は?

クリーニングに出す際、注意したいのは「頻度」。過剰な回数のクリーニングは生地の風合いを損なう可能性があるため、1シーズン1〜2回がおすすめです。頻繁にクリーニングへ出さない代わりに、衣替えの時に再度出してから収納するなど、日々のお手入れを念入りにすることが重要です。

【クリーニングの種類】
クリーニングには、ドライクリーニングとウェットクリーニングがあります。

・ドライクリーニングの特徴
水に弱いデリケートな素材や縮みや色落ちなどが発生してしまうものも洗える。型崩れも起きにくい。油性ペンや皮脂、化粧品汚れにも対応可能。

・ウェットクリーニングの特徴
40〜60℃の温水を使い、それぞれに適した石鹸や溶剤を使用して水洗いする方法。家庭ではできないドライクリーニングマークの衣類でも洗うことが可能。化学溶剤を使わず、水溶性の汚れも落ち、生地へのダメージが少ない。ただし、ウェットクリーニングは技術的にも難しく、対応不可の店舗もあり、ドライクリーニングに比べて価格が割高になる場合も。

【クリーニング時のチェックポイント】
・色の変化が起きないように、スーツは上下セットで出す
・ポケットに物が入っていないか確認
・装飾品を外す
・ほつれなどがないか事前に確認(ある場合は、伝えてから出す)
・シミなどの汚れが気になる部分は、事前に伝えておく

こまめなお手入れと定期的なメンテナンスで、毎日清潔なスーツを保ちましょう!

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近藤美穂
株式会社はるやまホールディングス 社長室(商品開発担当)エキスパート。一級衣料管理士。
ヒット商品『i-Shirt(アイシャツ)』シリーズや『ストレス対策スーツ』などの開発に携わる。

Photo:Masato Moriyama(TRIVAL) 
Edit:Maiko Mizusawa

 

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